茨城大学のカーボンリサイクルエネルギー研究センター(CRERC)は、大気中から二酸化炭素を低エネルギーで回収する「湿度スイング式(MSA)」の直接空気回収技術(DAC)の社会実装に向けた取り組みを加速させています。従来のDAC技術は吸着した二酸化炭素を取り出す際に多大な熱や圧力を必要とし、エネルギー負荷の大きさが課題となっていました。これに対し、茨城大学が開発する手法は、乾燥時に二酸化炭素を吸着し、湿潤時に放出する陰イオン交換樹脂を活用します。水を用いて常温で回収・分離ができるため、既存技術と比較して外部エネルギーを約4分の1に削減できる点が大きな特徴です。田中光太郎センター長は、湿度が回収の妨げになる従来法とは異なり、この手法は逆に湿度を活用できるため、日本の高湿度環境や燃焼排ガスへの適用において優位性があると指摘しています。
研究成果も着実に現れており、現在は中日本高速道路と連携して高速道路トンネル内での実証実験を進めています。吸着材1グラム当たりの吸着量は先行研究と同等の水準に達しており、さらなる効率向上を目指しています。また、2025年11月には企業と課題解決を探る「MSA-DAC研究会」を発足させました。実用化に向けては、送風エネルギーの抑制や吸着材を再乾燥させる工程の効率化、回収した二酸化炭素の農作物の成長促進やエネルギー備蓄への活用といった循環モデルの構築が鍵となります。将来的には、年間10トンの回収目標を掲げ、ビルや工場、都市インフラへの分散配置も視野に入れています。消費エネルギー全体を評価する視点を持ち、低エネルギーでの二酸化炭素回収を通じて脱炭素社会の実現を目指す研究が続いています。
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【出典はこちら】
■ ニュース記事
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00779333
参考資料
【大阪・関西万博でも注目のCO2吸収コンクリートとは?】
https://www.co2-hikaku.com/column/2016/
【脱炭素に向けた仕組みづくり…資源循環について解説します!】
https://www.co2-hikaku.com/column/2048/
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