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脱炭素ニュースコラム

2026.04.08

天然水素の国産化へ、2040年の商用化を目指し国内調査が開始

政府は、脱炭素社会の実現に向けた次世代エネルギーの切り札として期待される「天然水素」を、2040年までに実用化することを目指し、今年度から国内の適地を特定するための大規模な調査を開始します。天然水素は地下深部のかんらん岩が地下水と反応する過程などで生成される資源であり、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が中心となって開発を主導します。具体的には、地下へ人為的に注水して水素の生成反応を促進させる手法が検討されており、まずは研究機関や企業と連携して全国の地質データを精査し、深さ1キロメートル以内にかんらん岩が集中している有望な地域を絞り込む作業から着手します。並行して、各地から採取した岩石と水を反応させる室内実験を行い、水素を生み出しやすいかんらん石の特性や生成にかかる時間を詳細に割り出す計画です。

現在、水素は石油精製や燃料電池車の燃料として利用されていますが、その多くは製造過程で二酸化炭素を排出する「グレー水素」か、再生可能エネルギーを利用するためコストが極めて高い「グリーン水素」のいずれかです。天然水素は、環境負荷とコストの両面でこれらを上回る優位性があると考えられています。米国政府の試算によれば、天然水素の供給コストは1立方メートルあたり7円から20円程度とされており、これはグリーン水素のコストを大幅に下回るだけでなく、日本政府が2050年の供給目標として掲げる火力発電並みのコスト水準にも合致しています。

天然水素を巡る動きは世界的に加速しており、米カンザス州では2027年にも掘削・生産が開始される見通しです。米地質調査所は世界の埋蔵量が数百年分の需要を満たす5兆トンに達する可能性を指摘していますが、地殻変動の多い日本国内での正確な埋蔵量はまだ分かっていません。2030年までに試験用の井戸を掘る候補地を決定し、国産のクリーンエネルギーとして安定確保することができれば、日本のエネルギー安全保障の強化とカーボンニュートラルの達成に大きく貢献すると期待されています。経産省は今年度予算に調査費を計上し、本格的な開発に向けた第一歩を踏み出しました。

 

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【出典はこちら】

■ ニュース記事

https://www.yomiuri.co.jp/science/20260404-GYT1T00157/

 

参考資料

【脱炭素に向けた仕組みづくり…資源循環について解説します!】

https://www.co2-hikaku.com/column/2048/

【広がる地域脱炭素。中小企業へのメリットについて解説します!】

https://www.co2-hikaku.com/column/2035/

【CO2排出が実質ゼロになる!カーボンニュートラルな燃料について解説!】

https://www.co2-hikaku.com/column/1522/

 

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