近年、日本の製造業では人手不足や原材料費・エネルギーコストの上昇により、従来と同じやり方を続けるだけでは収益を確保することが難しくなってきました。こうした状況の中で注目されているのが、生産工程の見直しや設備導入による省力化・自動化です。しかし、新たな設備を導入するには初期投資が必要となり、導入をためらう企業も少なくありません。
そこで活用したいのが、省力化投資補助金(カタログ注文型)という国の補助金制度です。本コラムでは、この補助金制度の概要と、対象製品の一つである「シートメタル洗浄機」について、その特徴や省エネ面でのメリットについてわかりやすく解説します。
省力化投資補助金とは、人手不足の解消や生産性向上を目的として、中小企業・小規模事業者の設備導入を支援する制度です。省力化補助金には一般型とカタログ注文型の2種類があります。
そのうちのカタログ注文型では、あらかじめ国が認定した付加価値や生産性の向上につながる設備がカタログに登録されており、その中から製品を選んで導入する仕組みになっています。人手不足が課題となっている中小企業が対象となっており、補助率は1/2以下・最大1,500万円の補助が受けられます。通常の補助金制度と比べて、事業計画の作成や審査が簡略化されている点が特徴で、補助金申請が初めての事業者でも取り組みやすい補助金であるといえます。省人化、自動化、省エネといった効果が期待できる設備が幅広く登録されており、現場改善を進める有効な手段の一つとなっています。
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)HP:https://shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/
省力化補助金カタログ型で製品登録されている設備のうちの一つに、シートメタル洗浄機があります。シートメタル洗浄機とは、板金加工後の金属板を洗浄するための装置です。板金加工後の金属板には、加工油や金属粉、微細な汚れが付着しており、これらを十分に除去しないまま次の工程へ進むと、溶接不良や組立時の不具合など、様々な品質低下の原因となります。
そこでシートメタル洗浄機を使用することにより、金属板に付着した汚れを自動かつ均一に除去することが可能です。また、従来の手作業での処理と比べて金属板一枚あたりの洗浄時間が大幅に短縮されるため、作業の省人化・効率化につながります。

出典:https://portal.shoryokuka.smrj.go.jp/cs/product-catalog/product-detail/?num=PD-00001312
シートメタル洗浄機は、省力化だけでなく省エネの効果も期待できます。ここでは、同様の洗浄作業を行うと仮定し、人力での作業とシートメタル洗浄機を使用した場合で消費電力量にどのくらいの違いが出るのかについて概算します。
人力作業における補助設備の電力内訳想定は以下の通り設定します。
・人力作業における補助設備の消費電力内訳(合計3kW想定)

シートメタル洗浄機は、省力化補助金でカタログに製品登録されているMSW1000HEAを使用した場合で概算を行います。作業人数・作業時間は、私たちが実際に補助金申請をサポートさせていただいた金属製品製造業の会社の情報を基にしています。
・比較条件

同じ枚数の金属板を洗浄する場合、人力作業では3時間、シートメタル洗浄機では0.5時間を要します。人力作業での消費電力は9kWとなるのに対し、シートメタル洗浄機を使用した場合では5.5kWになり、約39%の電力量の削減が見込まれます。工場内設備の稼働時間短縮や水道・温水エネルギーの使用量削減といった間接的な省エネ効果を期待することもできます。
また、今回事例として挙げたMSW1000HEAは、強アルカリ電解水で汚れを落とす仕組みになっています。強アルカリ電解水は洗浄力が高く、成分の99.83%が水でできているため環境負荷は低いという特徴があります。こうした点からも環境に配慮した製造を行うにあたって、シートメタル洗浄機の導入が効果的であることがわかります。
省力化補助金カタログ型は、設備導入に伴う初期投資の負担を軽減しながら、現場の省人化・生産性向上を後押しする制度です。カタログ登録製品の一つであるシートメタル洗浄機は、洗浄工程の自動化による人手削減、品質の安定化、さらに省エネ効果まで期待できる設備です。人手不足や作業効率に課題を抱える事業者にとって、補助金を活用した設備導入は、将来を見据えた有効な選択肢の一つといえるでしょう。
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