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コラム

2026.02.13

脱炭素に向けた仕組みづくり…資源循環について解説します!

脱炭素やカーボンニュートラルと聞いて、「それは大企業や国の話では?」と感じる中小企業の方も少なくないでしょう。しかし、その流れはすでにエネルギー価格や原材料調達など、日々の経営判断に影響を与え始めています。2050年のカーボンニュートラル実現に向け、脱炭素はすべての企業に関わる共通のテーマとなりました。こうした中で、これからの経営において重要になるのが、資源をどのように使い、どのように回していくかという資源循環の視点です。
本コラムでは、脱炭素の時代において「資源循環」がなぜ中小企業にとって重要なのかを分かりやすく解説します。

 

資源循環とは

資源循環とは、従来の「大量採掘・大量消費・大量廃棄」という経済から脱却し、資源をできる限り長く、繰り返し活用していく考え方です。この考え方の中心にあるのが、製品の長寿命化や再使用、リサイクル、廃棄物削減などを通じて、資源の投入量を抑えて無駄を減らす循環型経済の仕組みであるサーキュラーエコノミーです。
資源循環はサーキュラーエコノミー単独で機能するわけではありません。ここにカーボンニュートラルの視点を組み合わせると、資源の再利用や廃棄物削減はCO2排出量の削減にも直結します。新たに原材料を採掘・製造する場合と比べると、廃棄物を再資源化する場合の方がエネルギー負荷やCO2排出量は小さくなると考えられています。さらに、自然環境の保全や再生を重視するネイチャーポジティブの視点を加えると、資源循環は単に効率を高めるだけでなく、過剰な資源採取や廃棄を抑えることで地域の生態系や自然資本の回復にもつながります。
このように、サーキュラーエコノミー、カーボンニュートラル、ネイチャーポジティブが相互に作用することで、地域内で資源・エネルギー・人材が循環し、経済と環境が共存する「地域循環共生圏」が生まれます。この考え方は環境省が推進している方針で、脱炭素社会に向けた大きな指針の一つとなります。


出典:環境省 https://www.env.go.jp/council/content/i_01/000103950.pdf

 

世界と日本の動向

世界的に、資源循環を経済の中心に据える動きが加速しています。2025年11月に開催されたCOP30では、企業のサーキュラーエコノミーへの取り組みを測定・評価・報告する国際的枠組みであるグローバル循環プロトコル(GCP)の初版が発表されました。これにより今後は、製品や資源の再利用・廃棄削減など循環性向上の具体的な取り組みを可視化して報告することが求められるようになる可能性があります。
出典:環境省 https://www.env.go.jp/content/000352079.pdf

日本では、第5次循環型社会形成推進基本計画にもとづき、令和6年12月27日に「循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行加速化パッケージ」が取りまとめられました。廃棄物を循環資源として活用することで環境負荷の軽減やCO2排出量の削減につなげ、産業競争力を向上させる国家戦略としてライフサイクル全体での資源循環の実現を目指しています。
出典:環境省 https://www.env.go.jp/council/content/03recycle03/000293460.pdf

 

中小企業にできること

脱炭素や資源循環、自然環境の保全を進める地域循環共生圏では、中小企業は単なる参加者ではなく、循環を動かす重要な担い手です。大規模な投資や最新技術がなくても、地域に根差した事業の強みを活かして取り組むことができます。

廃棄物を資源に変える

本来は廃棄される端材や副産物を「捨てるもの」として扱うのではなく別の用途に活用することで循環性が高まります。大阪府の金属製品製造業者では自社で製造しているアルミ製品を無料回収し、サプライヤーへの還元を行っています。

 

地域で資源を回す役割を担う

中小企業が中心となることで、地域の資源を循環させることが可能です。岡山県の建築業者では、工場で排出された木の皮や木屑を圧縮して燃料化し、自治体における資源循環材料として活用しています。

 

サプライチェーンのつなぎ役になる

中小製造業は、大企業から出る副材を自社で再加工して新製品にするといった、再生資材の利用や製品回収の仕組みを取り入れることができます。金属加工を行っている中小企業が大手自動車メーカーから鋼やステンレスの端材を仕入れ、切削原料として再加工を行っているケースがあります。

 

まとめ

脱炭素の実現に向けて、資源循環は欠かせない要素となっています。カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブを相互に捉え、地域と連携しながら循環型の仕組みを作ることは、中小企業にとっても新たな価値創出のチャンスとなります。資源循環は、特別な企業だけの取り組みではありません。身近な改善の積み重ねが、地域と企業の持続可能な未来につながります。

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