5月に入り最高気温が30℃近くまで上昇して、今年の夏も猛暑だろうなと今から心配になると同時に、些細なことでも環境への配慮を心がけていきたいと改めて感じています。
さて、皆さんは環境に対する取り組みを行っていますか?昨年6月に日本商工会議所・東京商工会議所が中小企業を対象として行った調査において、実施している脱炭素に関する取り組みを聞いたところ、7割以上の中小企業が何らかの取り組みを行っていることが分かっています。まだ始めていないという方のために、今回は私たちが行っている脱炭素伴走支援サービスで実際に支援した会社の例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
私たちは脱炭素を推進したい中小企業を対象に、「知る」「測る」「減らす」を支援する脱炭素伴走支援サービスを行っています。このサービスは知識編と実践編に分かれており、脱炭素について教育を行い削減活動をサポートすることで、その後も自社で活動を継続していける脱炭素人材を育成し、環境変化に対応できる持続可能な企業へ成長していただくことを目的としています。
この脱炭素伴走支援サービスを通して支援させていただいた会社のうちの一つに兵庫県の板金加工業の会社があります。このA社は取引先が環境に配慮した製品の採用を始めたことや、脱炭素社会への移行に伴い新分野への進出と販売促進を図りたいという意向により、脱炭素に本格的に取り組み始めました。今回は私たちが支援させていただいたA社の取り組みをご紹介します。
初めの第一歩として、まずは脱炭素について知ることからスタートしました。脱炭素について知ることで活動の意義を明確にし、全社一体となって活動を行うことができます。知識編ではEラーニングで脱炭素に関して学習し、試験対策問題で確実に知識を定着させながら、最終的にはGXチャレンジ検定という試験での合格を目指していきます。学習内容としては、カーボンニュートラルとは何かといった基本知識や、排出係数・Scope1,2,3等の排出量算定に関する知識、TCFD等の情報開示に関する知識等があります。一般的な内容からあまり耳にしたことがない専門的な内容まで学習し、後々実践を行う際に生かせる知識を蓄えます。
A社とは月に1回のミーティングを通して学習状況の確認と対策問題を実施しました。Eラーニングで合計16時間の学習を行い、代表者3名がGXチャレンジ検定を受験し見事全員が合格されました。
実践編では、実際に会社のCO2排出量の可視化や削減計画の策定を行います。自社の現状把握を行うためにゼロモニやエニマスといったモニタリングツールを導入し、エネルギー使用量とCO2排出量の測定を行いました。拠点ごとやエネルギー種別ごと、設備ごとなど、様々な視点から測定することで、削減に向けた課題を発見することができます。A社では知識編を受講されたメンバーを中心に実践を行っていきました。
【実際のゼロモニ画面】
【実際のエニマス画面】
現状のエネルギー使用量が把握できたら、現段階でエネルギー消費の最も大きな原因になっている箇所を探ります。むやみに省エネ等を行うのではなく、エネルギー消費の大きい部分から削減に取り掛かるよう計画を立てることで、時間とコストを無駄にすることなく、効率的にCO2排出量を削減することができます。
A社では本社のScope2と工場のScope1からの排出が多いことが判明したため、この部分をターゲットに設定し、削減の計画を立てることになりました。本社に設置しているコンプレッサーを確認すると、エア漏れでエネルギー効率が悪くなっていたこと、年末年始休みにも待機電力が発生していたことが判明したため、A社ではコンプレッサーの運用改善をメインに取り組みを行います。具体的には予約日設定を利用して、コンプレッサーを使わない日は完全に稼働を止める、エア漏れの対策を徹底する等を実施していく予定です。
現在、環境に対する取り組みを本格的に始める中小企業が増えてきています。実際に私たちが支援した板金加工業者では、脱炭素に関する教育を行ったメンバーを中心に、社内の現状把握から具体的な削減策の提案まで行い、今では本格的な脱炭素推進チームとして運営を行うようになりました。その結果、社内検討の際には多くの意見や提案が出るようになり、組織全体での意識向上が見られたとのことです。脱炭素人材の育成とCO2削減でお困りの場合はお気軽にご相談ください。
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