製造業における脱炭素は、環境への貢献と企業の持続可能性を向上させる重要な取り組みです。近年、気候変動への懸念が高まる中、CO2排出量の削減や脱炭素経営を目指す動きが広がっています。中でも製造業による環境への取り組みが重要視されていますが、具体的にどのようなことをすれば良いのかご存知でない方も多いかもしれません。そこで今回は、製造業における脱炭素の必要性とその具体的な取り組みについてご紹介します。
製造業の脱炭素化は、他の企業と比べても特に重要と言われています。環境省によると2022年度の日本のCO2排出量は10億3,700万トンで、そのうちの34%が産業部門からの排出となりました。工場を稼働し多くのエネルギーを必要とする製造業は、最もCO2排出量の多い部門として脱炭素化に向けて積極的に取り組んでいく必要があります。
【2022年度CO2排出量部門別内訳】
出典:https://www.env.go.jp/content/000215754.pdf
企業が脱炭素化に取り組む際、最初の段階として「CO2排出量の見える化」を行う必要があります。CO2がどこから、どれだけ排出されているかを把握することで、効率的にCO2排出量を削減することができます。さらに「見える化」は取引先や顧客からの信頼を高め、環境に配慮した経営を行っていることのアピールにつながります。
LEDは白熱電球に比べて消費電力を大幅に削減できるため、脱炭素化への取り組みとして非常に効果的です。他の手法に比べると比較的実施しやすく効果も大きいため、脱炭素化への初めの一歩として取り組むことをお勧めします。
工場の屋根や壁に遮熱シートを貼ったり遮熱塗装を行ったりすることで、冷房設備での使用電力が減り、CO2排出量の削減が可能となります。工場を遮熱することにより労働環境の改善も図れるため、多くの会社で実施されています。
現在使用している電力を再生可能エネルギー由来のものに変えることで、CO2排出量を削減できます。再生可能エネルギーの導入方法としては、太陽光パネルでの自社発電や、グリーン電力証書による環境価値の購入などがあります。
実際に製造業の方にお話を伺うと、古い機械を長年使用している会社が多いようです。最新の設備は使用電力が少なく性能の良いものが多いため、新たな設備への更新がCO2排出量の削減につながる場合があります。新たな設備の導入は初期費用がかかりますが、消費電力が少なく月々の電気代が安くなることもあります。補助金等を上手に利用して設備を更新することをお勧めします。
私たちゼロプラスが支援させていただいたある板金加工業の会社様は、照明のLED化や太陽光パネルでの自社発電など、環境活動に積極的に取り組んできました。さらにCO2排出量を削減するため、省エネ効果のあるファイバーレーザ溶接機を導入しました。ファイバーレーザ溶接機はエネルギー効率が非常に高く、少ない消費電力での稼働が可能な溶接機です。従来のTIG溶接機では年間使用電力量が9,884kWhでしたが、ファイバーレーザ溶接機導入後の年間使用電力量は1,879kWhとなり、81%削減することができました。
古い機械を最新の省エネ設備へ更新することで、環境負荷の低減と同時にコスト削減にもつながります。設備導入時には初期投資額を極力抑えられるよう、政府の補助金制度を利用しています。
日本国内でCO2排出量が最も多い製造業が脱炭素に取り組むことで、国内のCO2排出量を大きく削減できる可能性があります。製造業における脱炭素への取り組みとしては、主に照明のLED化や省エネ設備の導入などが行われています。近年、取引先や顧客からの要求をきっかけに脱炭素に取り組む会社が増えているようです。
会社の規模によって必要な取り組みや実施できる取り組みは異なります。そのため、今すぐにできることから少しずつ脱炭素経営に向けて取り組んでみてはいかがでしょうか。
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